【前回までのアドゥリンM】
それぞれにあるべき場所に戻ったモリマー、ダラクァルン、そしてハーサーカ。
残ったアシェラと冒険者もアドゥリンの街へと帰っていった。
アシェラをたずねて城に行った冒険者は改めてこれまでの礼を言われる。
穏やかに流れる時間の中で、アシェラの部屋にノックの音が響く。
十二家当主たちから呼び出されたのだった。

■ 若き指導者

不安げなアシェラ

十二家の当主たちから呼び出されたアシェラは、
やや心細そうな表情で彼らの待つ広間へと向かいました。

ずらりと並んだ当主の中でアシェラが一人。
いえ、一人ではありません。
アシェラの後ろには彼女の支えとなった冒険者がいます。

アシェラ
「あ、あの……。」


すっと前に出てきたのは、アシェラのことを「小娘」と罵ったイルドベールでした。
少し怯えているアシェラに対して、イルドベールは姿勢を正し、頭を下げたのです。
戸惑うアシェラにかまわずイルドベールは自身の振る舞いを振り返り、
謝罪の言葉を続けていました。

イルドベール
「偽りなくまっすぐに貫くそなたの正論に、すっかり頭に血が上ってしまった。」


イルドベールの謝罪

何を言っても言い訳にしかならないのは分かっている。それでも、謝りたいと。
そして、もう一度深々と頭を下げて言いました。

イルドベール
「アシェラ殿。あのときは本当に申し訳なかった……。」


予想外の展開に驚くアシェラに、今度はチェイロマチェイロが前に出ました。
チェイロマチェイロもまたあの時の呪いの最初の犠牲者ともいっていい人物。
その人物が目の前にいることにアシェラは驚きを隠せません。

そばにいたアムチュチュがアシェラのいなかった間に何が起こったかを説明しました。
やはり、ハデスを倒し、世界樹の光が降り注いだとき、呪いは解呪されたのです。

アムチュチュ
「みーんな、意識が戻ったわ。」


呪いから解放されたことを実感したアシェラ

その言葉を聞いて、ようやくアシェラは街に戻ったときに迎えてくれたティアナのことも夢ではなく、
本当にアドゥリンが救われたことを実感し、涙がこぼれました。

チェイロマチェイロ
「あ、あのよぅ……俺も悪かったよ。
あれよあれよとその場の流れに乗っちゃうクセがさ……。」


バツの悪そうに振る舞うチェイロマチェイロの様子を見ていたアムチュチュに
素直に謝れと言われてしまいます。

チェイロマチェイロ
「ごめんなさい。」


ごめんなさい。

他の当主の話では、アシェラと冒険者がこれまで何をしていたのかは既に聞いているらしく、
それがきっかけでこのように当主たちが集うことになったのだと言いました。
そのきっかけを作ったのがエクソシストの長であるヴォルティミア卿と、
そしてその配下にいるイングリッド、それから……モリマーでした。

モリマーはイングリッドとは訳あり(別件で既知の仲)で、
森でつかまってから、当主たちの前でいきなり斬られて、
「不死」であることの証を見せる羽目になったりと散々な扱いを受けた模様。

イングリッドから不死の証明をさせられるモリマー

さすがにその様子を見せられたのでは、
当主たちもアシェラの言葉や今の事態に対して、
虚偽であると決め付ける訳にはいかなくなったことでしょう。

イングリッド
「名家同士の問題を蔑ろにしてあちらこちら飛び回るのはどうかと思うわ!
あまりに見てられないからこっちのほうは、なんとかしてあげたのよ!感謝しなさい!」


イングリッドもひそかにアシェラのために

一度は権力に目がくらみ、アシェラを亡き者にしようと企てたヴォルティミア卿。
しかし、過ちに気が付き、外から国の内情を見たことで
自分たちがいかに愚かだったかを実感したと言いました。
法による裁きを受けるつもりだとも。

ヴォルティミア
「アシェラ殿。イングリッドを赦していただき感謝します。すべての責任は私にある……。」


物事の大小はあれ、アシェラには酷な振る舞いをした当主たちは、
それぞれに自分たちの過ちを理解し反省していることを伝えたくてここに集まってきたのでした。
そして、当主同士でも話し合い、今後は派閥争いはしないことも合意したと伝えました。

イルドベール
「アシェラ殿。
アドゥリン家……いや、貴女には我々十一の名家をひとつに取りまとめていただきたいのだ。」


唐突な提案にうつむき黙りこんでしまったアシェラを見て、
イルドベールは自分達のことを許してもらえないかとつぶやきました。

アシェラ
「……いいえ、いいえ。許すとか、許さないとか、そうじゃありません。
わたしのほうがあれだけひどいことを言ったのに……。」

「わたし、こんな……。こんなに嬉しいことなんて、ない、です……。」


かつては「森の魔女」とまで言われ、忌避されていたこともあるアシェラのことを、
こうして認め、まとめて欲しいとまで言ってくれたことをアシェラは素直に嬉しいと感じていました。

── 森で採れた苗が、こうして成長して、実を付けていく……。
森で採れたものというだけで まだ多くの人が、抵抗を持っているけど……
いつか、アドゥリンのみんなもこうして食べたり飲んだりしながら、笑いあえる日がきますよね!──


アシェラもまたイルドベールやチェイロマチェイロがそうしたように頭を下げました。

アシェラもまた……

アシェラ
「わたしのほうこそ、本当に……生意気な娘で、ごめんなさい……!」


そして、顔を上げたときには、さっきまでの表情から一変し、引き締まった表情になっていました。

イルベールによる申し出は嬉しいと。
ですが、アドゥリン家には兄ユグナスがいるためその提案は受けられないと断ったのです。

「ならば、私が家督をおまえに譲るといえばいいということかな。」

現れたのはリフキン……ではなく、すでに呪いの解けた本来の姿を取り戻したユグナスでした。

ユグナス登場

ユグナス
「この姿では久しぶりだな、アシェラ。」


ユグナスはリフキンの姿でアシェラのがんばりをそばで、あるいは世界樹を通してみてきました。
その姿を見たうえで、王の資質はアシェラにあると判断し、
イルドベールに「アシェラをまとめ役に」と頼んだ張本人だったのでした。

ユグナス
「私からも願おう。この国、アドゥリンをよりよき未来へ、おまえの手で導いてくれ。」


皆の注目が集まります。
アシェラの覚悟が決まりました。

アシェラ
「こんな……こんな、わたしでよければ、是非。
ですが、わたし一人ではありません。
どうか、皆さんのお力をこのわたしにお貸しください。」


当主たちから自然に起こる拍手がアシェラに対するなによりもの答えでした。

イルドベールはアシェラに早速盟主としての宣言をするように言いました。
あわてるアシェラにユグナスは自分の思い願うことをそのまま言葉にすればよいと助言します。

(がんばって!アシェラ)
冒険者もアシェラに分かるようにそっとジェスチャーをしました。

やや緊張した面持ちで、大きく息を吸って……。

大きく息を吸って

アシェラ
「わたしは自らの足で歩き
そして、直に森に触れることで、多くのことを知り、学びました……。
それは決して一人で成せることではなくてたくさんの人の
支え、協力があっていまのわたしがあるんです。」


積極的に森へ行き、冒険者と知り合い、その中で知った数々のこと。
そして、アドゥリンが直面する課題である「開拓」。
それについては賛成と反対があるのは当然。

「だからこそ、これからの未来アドゥリンはより一層、
十二家の繋がりが必要になると思っています。」


アシェラが見てきた森の姿は傷ついていました。
アシェラの考える未来は、闇雲な開拓で森を傷つけていくものではなく、
また、森に埋もれていく未開の地で暮らしていくものでもなく、
森とともに発展していく未来でした。

「互いを尊重し、生を享受し、未来へ向けて……ともに歩んでいきたい。
どうかそのために、皆さんのお力を、わたしにお貸しください。」


身につけたオーダーサインを手に取ります。

「この剣の輝きと――初代王オーグストの掲げた旗の下に――
揺るぎなき結束をここに誓いましょう。
神聖アドゥリン都市同盟の新たな黎明を、
ここにいる皆さんとともに築き上げる事を……
アシェラ・V・アドゥリンが、ここに宣言します!」


オーダーサインを掲げる

立派に盟主になろうとするアシェラを見つめながら、
モリマーはもうこの国は安泰だと目を細めていました。

そして、アドゥリン新盟主アシェラ誕生の場から、
冒険者とモリマーはそっと立ち去ったのでした。


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後編に続くので、簡単に。

まず、モリマーとイングリッドの関係については別のクエストにおいて語られています。
それについてはまた機会があればメルヴィアンの件もあわせてまとめようと思っています。

皆あっさりと改心してからの大団円ではあるのですが、
(正直ここは駆け足だったなぁという印象を受けていました)
それでも間延びすることを考えるとこれでよかったのかなと思います。
主要なメンバーについてはしっかりと謝罪の言葉も聞けていますしね。

イルドベールについては以前に考えていたとおり、
言ったあとで後悔するタイプそのままでしたw

あと、文中ではあえて触れなかったのですが、スヴェンヤ。
十二家が決定的に対立したときに、アシェラに対しての振る舞いから
彼女の登場する別クエストからみて性格的に理解は出来るものの、
思いやりに欠ける態度だったと書いたことがあります

そのうえで今回のシーンを見ていて
「なに一人良い人ぶってるんだw」と突っ込みをいれていました。
スヴェンヤこそあの時アシェラが頼りにしたかった可能性の高い人物だったのに。
イキが「支えになれなくてごめん」と謝るシーンがあるのですが、
それはむしろスヴェンヤに言って欲しかったくらいです。

それでは、最終回-後編へ。


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