【前回までの星唄M】
未来のセイレーンとイロハは無の使者を消し去ろうとしていた。
しかし、それを阻止したのはテンゼンだった。
力を半ば使い果たした形となったセイレーンは、無の使者の処遇については冒険者に託し、
その場から消えた。そして、同様にイロハもひどく疲弊していた。
テンゼンと別行動を取った冒険者は、セルテウスのいるアル・タユへと導かれる。
そこで冒険者はセルテウスが取ろうしている行動が、
未来のセイレーンやイロハが語る「未来」に繋がる行為だと知ることになった。

■ 虹の向こう
セルテウスが考えている「クリスタルを作る」という行為を今実行しても良いものなのか、
イロハに確認を取る為に、冒険者はノーグへと向かった。

いつものようにギルガメッシュのところに顔を出すと、
そこにはプリッシュも来ていた。どうやら心配してくれていたらしい。
ギルガメッシュによると、イロハの世話もしてくれていたそうだ。

プリッシュが来ていた

プリッシュ
イロハの奴、ずいぶん元気になったみたいで、良かったぜ。

その言葉を聞いて安堵していたところに、テンゼンとイロハが部屋に入ってきた。
ただ、イロハは師匠である自分の顔を直視することが出来ないようだ。
あのようなことがあった後だ。イロハの心中は察するに余りある。

目を合わせないイロハ

冒険者はセルテウスの話をテンゼンに報告した。
ひんがしにクリスタルが生まれることは明るい兆しだとテンゼンは喜んだ。
「虚ろなる闇」の侵攻が止まっていたとはいえ、
ひんがしは未だにその虚ろに飲み込まれたままの場所が多く残っていた。
それらの地を復興するにはまだ永い年月が必要だと思っていたテンゼンには
セルテウスのクリスタルは朗報以外のなにものでもなかった。

しかし、イロハには気がかりなことがあった。
イロハの知る「ひんがしのクリスタルの誕生」までには数年の誤差があるというのだ。
今、クリスタルを生み出してしまうことで変わってしまう歴史を恐れていた。
テンゼンとプリッシュは特に問題はないのではないかとイロハに言った。

イロハ
確かに、そうかもしれませぬ。
私めが知る未来では、ひんがしにクリスタルが存在していても、
結局、世は闇に包まれてしまいました。


テンゼンはプリッシュにもうしばらくクリスタルについての調査を続けて欲しいと頼み、
プリッシュはそれを快諾した。

イロハ
……師匠。
セルテウス殿のクリスタルについて、師匠のご意見を聞かせてくださいまするか?


少なくとも、イロハの知る歴史どおりに事が運べば、クリスタルが誕生しても結局は同じこと。
クリスタル誕生を前倒しすることで、その流れに変化が起こり事態が好転するかもしれない
それに女神アルタナに会うチャンスも広がるだろう……冒険者はそう考えた。
しかし、それをすることで悪化するかもしれない未来も無視できない。

しばし考えた冒険者はイロハに答えた。

イロハは慎重になっていた。それだけ「決断の時」が近いのだ。
ただ、セイレーンの話から判断すると、ひんがしのクリスタルは今後にとって
重要な意味を持つことも十分分かっていた。

テンゼン
「女神アルタナに会うには、ひんがしの醴泉島を包んでいる虚ろなる闇を払う必要がある」。
セイレーンはそう教えてくれてセイレーンの風切り羽根を託してくれたのでござる。


テンゼンがイロハの言葉に付け加えた。

イロハ
私めは、師匠にお渡しした勾玉に判断を仰ぐほかないと考えまする。

勾玉の導きはクリスタルの導きでもある

イロハは勾玉が醴泉神社伝来のもので、
母なるクリスタルと持ち主の心を繋げるものであるから、
勾玉の導きはすなわちクリスタルの導きだと言った。
その導きがあるまでは待つのが良いと提案した。

冒険者はもっともなことだと思い、イロハに賛同した。

クリスタルの生成についてはいずれ行なうものの、
まずは勾玉の導きを待つことに決まった。

あとはもうひとつ、セルテウスに頼まれていた件だ。
セルテウスが集めた力を盗んでいる相手……。
セルテウスは「もっとも魔力に長けたもの」に頼めと言っていた。

冒険者の中には一人しか浮かんでいないが……。

プリッシュ
シャントットのおばちゃんだな!

おば……それをシャントットの前で言ったら、どういうことになるか冒険者は考えたくなかった。
いや、プリッシュのことだから大丈夫か?

ギルガメッシュからイロハは一緒に行かないほうがいいと言われ、
当然一緒に行く気だったイロハは何故かとたずねていた。

アルド
「時を超えてきた」と説明したら、終わりだ。実験台にされる。

それを聞いてたじろぐイロハ。
アルドの言葉はもっともだった。

シャントットのいるウィンダスへはテンゼンと冒険者で行くことになった。

残されたイロハは、セルテウスの話を総合して考えると
今、クリスタルの力を盗んでいるのが「無の使者」とは
別の存在のように思えて小さなひっかかりを覚えていた。
クリスタルの力を欲する存在が他にもいるということなのだろうか。


■ 不協和音
どことなくのんびりとした空気のあるウィンダス。
タルタル族とミスラ族の多い国である。

これから冒険者たちが会おうするシャントットとは、
ウィンダスを代表する三博士の一人。
この国の元老院首席であり、クリスタル戦争の英雄の一人で、
魔導軍を管轄する機関でもある「口の院」の元院長であり、
気位が高く、かなり個性的な性格をしている「最強(最凶)の魔道師」だ。
冒険者たちの間では畏敬の念を持って「シャントット様」と呼ぶ者も多い。

意を決してシャントットの家に入ると、コルモルとヨランオランもいた。
奇しくも三博士が勢ぞろいした形となった。
やはり筆頭はシャントットではあるが、この二人もなかなかの曲者である。

シャントット、コルモル、ヨランオランの三博士

冒険者はシャントットに事のあらましを告げた。

シャントット
……ざっと聞く限り、その勾玉をぶっ壊したり、
その少女でいろいろ試したいところですけれど……


あぁ、イロハを連れてこなくて本当に良かった。
冒険者は心底そう思った。

シャントット
何をおいてもまずは、セルテウスという人の頼みを聞いた方がよさそうですわね。
「タルタロス」という世界へ魔力が流れ込んでいて、その犯人を調べてほしいと。


「タルタロス」など知らないと言ったヨランオランに、
シャントットは当然自分は知っていると言った。

シャントット
ヴァナ・ディールではない、異世界のひとつでございますわ。
魔法理論に基づいて存在の証明はできるのですけれど、
おそらくかなり風変わりな世界ですわね。


傍で聞いていたコルモルは世界は広いんだなぁと感心していた。
半ば他人事のように聞いていたコルモルに、
シャントットはそもそもこの存在に気が付いたのは、
コルモル作成の「ワルノリくん」という魔法人形のせいだと言った。

(ワルノリくん?また何か作ったのか)

どうやらコルモルの新作魔法人形らしいのだが、
簡単に言ってしまうと「悪いやつを見つけてくれる」人形らしい。
しかし、うまく動かないという。つまり失敗作なのだとか。

高笑いのシャントット

コルモル
初稼働した「ワルノリくん」は、ものすごく遠くて暗くて、
意味がわからんところを指し示したのじゃ。


だから魔法人形の作成は失敗したと考えたらしいのだが、
相談を受けたシャントットによると、この指し示した先が「タルタロス」だというのだ。

シャントット
わたくしの勘では、セルテウスという人の話に関係があるんじゃないかと思いますの。

ヨランオラン
うむ。その人形はきちんと稼働していて、魔力を盗んでいる存在を示していたのかもしれん。

コルモルが今現在のワルノリくんが指し示す場所がミザレオ海岸だと言った。

(ミザレオ海岸……エスカ-ル・オンかもしれない!)

シャントットは「期待しすぎるな」とワルノリくんの性能について言ってはいたが、
いまはどんな手がかりからでも、糸口が欲しかった冒険者は
ワルノリくんを受け取り、エスカ-ル・オンへ乗り込んだのだった。


■ 迷宮の渦

シドたちが調査にきていた

エスカ-ル・オンに行くと、そこにはシドやミスリル銃士隊に一行が来ていた。
エスカの調査をしているらしい。

シドは、奥に何重にも重なったものが力を吸い取りながら渦巻いている
……ひときわ大きな「渦の巣」があるとして、冒険者に忠告をした。

冒険者は奥へ、奥へと進んでいった。


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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

イロハの表情は実はあまり豊富ではありません。
しっかりとしつけられた感じと、一本芯が通った強さや武士らしさの両方が、
大きな表情変化のないイロハを印象付けさせます。

ですが、ここまでもそうなのですが、
彼女の心情がうかがい知れるような細かな動きが、本当によく作られていて、
今回は師匠に対しての思いや、その後のひんがしのクリスタルをめぐる
彼女の複雑な心情などもよく表現されていると感じました。

目をそらした登場シーンから、しっかりと目を見ているシーン、
そこからまた目をそらしている状態。
頼りたいけれどそればかりでは……とイロハが考えていることもよく伝わります。

あとはシャントットが登場しました。
彼女が登場するとやはり「何が起こるのかな」というワクワクがありますね。
おそらくシナリオライターさんにとって
「勝手に動いてくれる」というキャラの一人ではないかなーと想像します。

登場する以上は魔法がドッカンドッカンくるのかなーというイメージでしたので、
コルモルの魔法人形を介した登場となりちょっと意外でしたね。


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