【前回までの星唄M】
セルテウスは自らが母なるクリスタル同士を結ぶ絆となるために行ってしまった。
複雑な想いがありながらもその姿を見送った冒険者だったが、
そこに無の使者が現れた。そして、ついに明かされた無の使者の正体。
仮面をはがそうと近付いたとき、激しい光と共に冒険者は気を失ってしまう。
夢か現実か、薄らいだ意識の中で冒険者が感じたのは、
未来の自分が「そこにいる」ということだった。
意識を取り戻した冒険者はノーグへ戻ったが、イロハは行方不明の状態だった。

■ 叫ぶ闇

イロハの行方が分からない中、ひとまずは彼女を探そうと、
準備のために母国に戻った冒険者。
国に到着するやいなや白昼夢が冒険者を襲った。
しかしそれはいつもの白昼夢とは違って、どこか陰鬱で、悪意すら感じた。

夢に現れたのは、
冒険者がこれまで倒してきた「敵」だった。

闇の王
カムラナートとエルドナーシュ
ナグモラーダ
ラズファード
レディ・リリス
ハデス

彼らは様々に、それぞれの立場から冒険者に言葉を投げかけてきた。

彼らには彼らなりの行動理由があることは分かっている。
立場が変われば「正義」は変わる。
中には同情すべき理由を持つものだっていた。
だが、すべて倒してきた。「ヴァナ・ディール」を救うために。

そこに無の使者が現れた。

そうか、これは無の使者が見せている悪夢か。
だが、この感覚はなんだろうか。
悪夢……悪夢なのだが、彼らの言葉ひとつひとつが
ちくりと冒険者に小さな棘となって刺さっていく。

無の使者
彼らの元を巡り、私も力を集めたよ。
そう、闇の力を。君が集めている力とは対極にあるものだ。
それを今から、君に注ぎ込んでやろうというわけだ。


そう言うと、彼は多くの個を生み出した。

使者は言った。
「世界を救う」など、本気でできると思っているの?

言葉と共に、深い闇が冒険者に刻まれる。

使者は言った。
俺がいなくても、誰かが目的を果してくれるさ。

また別の姿をした使者は言った。
仲間たちは倒れていく……。

注がれる闇

次々と発せられる言葉と、注がれる闇。

ウフフ。本当の私を誰も知らない。

戦いの腕は上がったが、それが何の役に立つのだろう……?

最後に残されたものは、本当に、希望なのかな?

希望とは、最後まで残された最悪なる災厄なのかもしれない……。


冒険者のこれまでの行ないがヴァナ・ディールの歴史の光だというならば、
一方で闇に消えてしまった者たちもいる、その叫び。
そして「勇者」「英雄」などと呼ばれる冒険者の影の部分を
ダイレクトに使者たちの言葉は攻めてくる。

どうして私が……やらなければいけないの?
そんなこと自分で……やればいいのに。
自分の意思は……そこにあったの?

注ぎ込まれる闇が、増大しそうになったとき、
まるで、打ち払うかのような強い光が現れ、無の使者がひるんだ。
今はこの場を離れよう。
隙をついて、その場から離れる冒険者に、何者かが語りかける。

光に導かれ、今はこの場を離れる

???
君は、立ち止まってはならない。
歩み続けるからこそ、希望へたどり着くのだ。


この声は……ちゃんと見守ってくれているんだ。

無の使者たちによって、
冒険者の心には深く濃い闇が注がれてしまった。

そうだ、確かに……思ったことはある。
だけど、はっきりといえることがある。
最後に決めたのは自分だ。それは、自分の意思だ。

そう思った冒険者の心は、決して闇に囚われることはなかった。
闇をそそがれたせいでどのようになってしまうのかはまだ分からないが、
むしろ、何もかも認めたうえで、
やはり、自分は人々を救いたい、この世界を救いたいという想いを新たにしていた。

光に導かれるように、冒険者は走る。
その先には見たことのない景色が広がっていた。
そして、そこにイロハの姿があった。

???
倒れた人々、消えた存在たちの希望。
それこそが、君。


イロハの姿は安定しないようだ

イロハの姿は消えたり現れたりしていたが、そっと何かを残して消えた。
調べてみると「希望の唄」がそこにはあった。

???
希望の唄を歌えるのは、君だけなんだよ。

その言葉を最後に、白昼夢から醒めた冒険者。
あの場所はおそらく醴泉島。
イロハはそこにいるのだろう。そう確信したのだった。


■ 乱雲たちこめ
竹林を走る
「希望の唄」を手にクリスタルの元に行けば、
何か分かるかもしれないと考えた冒険者の予想は的中した。
なんと、クリスタルから醴泉島への移動手段が出現していたのだ。

これならギルガメッシュたちを足止めしていた「虚ろなる闇」の囲みを
経由することなく醴泉島に直接行くことができる。
冒険者はその流れに身を任せた。

到着した醴泉島の空気は澄んでいた。
今までには見たことのない景色の中を冒険者は進む。
景色こそ穏やかな雰囲気をかもし出していたが、
周囲にいる敵はかなり強力なようだった。

ひんがしの国に特有の植物である「竹」と、
本土では見ないような組み上げ方をしている「石垣」が、
まるでイロハまでの道案内をするように、
やや頼りないながらも道を作っている。

やがて、石で作られた門のようなものが並んでいるのが見えてきた。

鳥居のようなものが並んでいる

その構造物の下を潜り抜けていった先には、何かが祀られているのか、
勾玉のような文様が描かれた大きな岩があった。

神聖な場所特有のどこか冷たい空気がそこには流れていた。
ここが醴泉神社なのだろうか。

岩に軽く触れてみるとその奥からイロハの声がした。

イロハ
いったい、何事です。私めを惑わす、風の音でしょうか?

少し警戒をしているようだ。
冒険者はイロハに声をかけた。

イロハにとって、懐かしくも、
また、一度は失われたと思った人物の声だった。

イロハ
ああ、ご無事で……感無量にございます、師匠!

そのままイロハはアルタユで何があったのかを
冒険者に説明を始めた。
その説明は概ねギルガメッシュから聞いたことと同じ内容だった。
しかし、新たな事実として知ったのは、
あのときイロハもクリスタルに回帰して行ったらしいということだった。

(なぜイロハはここに飛ばされていたのだろうか)

冒険者の疑問にイロハは答えた。

イロハにもなぜかは分からないが、醴泉島に一人で倒れていたらしいのだ。
ただ、この醴泉島はイロハが実際に育った島とは少し様子が異なっていたが、
この岩戸に辿り着くことは出来たのだとか。
傷ついていたイロハは、この岩戸の中に身を隠し、
神に祈りながら身体を癒していたのだそう。

イロハ
女神さまの祝福か、いつのまにやら我が身体も復活を遂げていたのでございます。

イロハは今は動けないらしい

それにしてもイロハが岩戸の奥から出てこない。
実はまだ警戒しているのだろうか。
それとも、本当はかなりの深手を負ってしまっていて、
師匠である自分にも見せることが出来ないのだろうか。

(本当に大丈夫?)

イロハ
神都にて、かなりの力を消耗してしまいました。
体力というよりも精神力を……。
それゆえ、まずはここから出て、
師匠のお顔を拝見したいところではございますが、まま成りませぬ。


なるほど、そういうことか。
ただ、ここまでの道のり、モンスターたちも沢山いたが、
襲われたりしなかったのだろうか。

そう冒険者が口にすると、
岩戸越しでも、聖なる島がモンスターで蹂躙されていることを
イロハが苦々しく思っていることが伝わってきた。
そして、冒険者にモンスターの件で力を貸して欲しいと言った。

モンスターの中でも岩戸のそばに出現する
武人のようなモンスターはとくに知能も高く、
この岩戸を破壊しようと狙ってきているらしい。
つまり、このモンスターを倒してきて欲しいということだ。
冒険者は快く引き受けた。


■ 流るる血

岩戸には勾玉のような文様

イロハが危惧していたモンスターを退治した冒険者は、
彼女が待つ岩戸まで報告に行った。

すると、岩戸の文様が浮き上がり、内部へ招き入れられた。

内部はひんやりとしており、やや暗い。
少しばかり先へと進んでいくと、
巨大なクリスタルが目をひく広間に行きついた。


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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

三章突入でいきなり、どう書こうか迷っていたところが来てしまいました。
最初のこれまで倒してきた敵のセリフは出来ればちゃんと入れたかったです。
それぞれの事情が分かる良い台詞だったんですが、
全文をのせざるを得なくなってしまうということと、
どうしてもカムラ&エルドの二人のことを伝えるには
一言ではまとめられなくて断念しました。

あとは、いつもより「自分」を出した文章になってしまいました。
ただ、どうしてもはっきりさせておきたかったところがあったので、
没個性化させにくかったのです。ご容赦ください。

色々ありましたが、ようやく醴泉島に上陸!
この日をすごく楽しみにしていました。
周囲の敵が本当に強いうえに、
次々リンクしてくるわNMまでわいてしまうわでなかなか大変でした。

イロハが冒険者に神都で何があったかを説明する際に、
彼女もクリスタルに取り込まれた(=死んだとほぼ同義)ことを知り驚きました。
あのイベントを見ていたときは、
イロハはどこかに飛ばされただけなのかなーと思っていたので。

あと、今回一番気になった点は、闇を注がれていたとき。
他の使者は言葉とともに、確かに冒険者に取り込まれいったのですが、
いつもの仮面の男だけは、光に阻止されたような状態だったところです。
今後の展開に関わるのかなぁ。


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最初から……ヴァナ・ディールの星唄 1

  
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