【前回までの星唄M】
醴泉島のクリスタルでセルテウスと身体を休めるイロハと再会した冒険者は、
そこで自らが光の神になるという選択をすることで戦う考えがあることを話す。
しかし、無の使者によって注がれた闇を取り払わねば、
光の神になることは出来ないとセルテウスに言われてしまう。
その闇を取り去ってもらうため、冒険者は闇の神の完全体がいるという場所へ行くことになった。

■ 罪深き決断

冒険者に討たれ、苦しむセンパーンの傍らに即座に寄ったのは無の使者だった。
センパーンに向かって手をかざした無の使者は、
驚くべきごとに「真の闇の神」の闇の力さえも吸収しようとしていた。

無の使者
フタタビ……我が「力」ヲ……回収させテもらオウ……。
ほぼすべてノ闇ヲ 失ったとしてモ、君ハまダ 光の神にハなれぬノだろウ。
よっテ繰り返す。再び、我が闇ヲ君ニ注ぎ込んでやル……。


無の使者はまだ冒険者に闇を注ぎ込むことを諦めてはいなかった。
手にはどんどんセンパーンに蓄えられていた闇が無の使者に吸収されてゆく。
しかし、不意に無の使者が苦しみ始めた。
その姿はまるで、無の使者には入りきらないほどの闇の力を吸収して、
それに耐えられず、暴走しているかのようだ。

闇の神となるのか

センパーン
汝ハ 闇ノ神ノ器。
シカシ 暗闇ノ雲ニ 封ジラレテイル。
闇ノ神トシテ 覚醒セヨ。


センパーンはそういうと、その力を無の使者へと激しくぶつけた。
無の使者の闇の力もまたそこで炸裂したかのように見えた。
それらの力はアストラル風となって冒険者を押し戻す。
いつの間にか、冒険者は入り口まで戻されてしまっていた。
急に追い出されたことに驚くケット・シー。

声が響く。
無の使者の声だ。
自分のところへ来いと。

おそらく、センパーンの闇の力は無の使者に継承されたのだろう。
新たな闇の神は、未来の自身だということだ。
自らを自らの手で倒せるのだろうか。

無の使者に力を封じられていると語っていたセンパーンの話も気になりながら、
冒険者は再びさっきまでいた場所へと向かっていった。

最初に目にはいったのは、無の使者を象徴していた仮面だった。
その先にいたのは、神々しいというものとは異なる、
だが、禍々しいという訳でもない闇の光に包まれた未来の自分の姿だった。

闇の神となった無の使者

無の使者
闇の神……プロマシアの導きにより、我は新たな神となった。
「暗闇の雲」の支配も、
闇の神の力にて抑制できている。

今ならば、君を導ける。
正しい未来へ。
正しい決断へ。
我が記憶を見るがいい!
未来における、君の決断の結果を!


未来の決断?
未来の自身が見た決断の結果?

その差し出された手に冒険者は抗うことなく従った。


■ 償うためには

ここは醴泉島……。
だが、違う。おそらくこれは未来の自分の記憶の中。
暗雲立ち込めた島の景色。
「無」が世界を包み込み、残されたのはこの醴泉島のみ。

そこにいたのは、テンゼンとイロハ、そして冒険者。

イロハ
ああ、闇が……。世が消えていく。

テンゼンがイロハにしっかりするように喝をいれた。

テンゼン
冒険者殿、そなたが言っていた最後の手段。
あのようにとてつもなく恐ろしいものへ通用するのでござるか!?


冒険者は、一歩また一歩と前へ進んでいく。
大きな決断の瞬間だというのに、その表情はいつもと変わらない。
そしてあの勾玉を掲げた。

勾玉の力を解放する

ふわりと浮き上がる身体は光に包まれる。
そのとき、同時にもう一体の自分がそこに誕生していた。
あぁ、そうか、これが、君(無の使者)なのか。

無の使者
君と我、いや、未来の我等は最期の決断をした……
このとき君は、「光の神」となるために、人が持つ闇をすべて捨て去ったのだ……
無を……討ち払うために……


強い光に包まれた冒険者と、
そして、打ち捨てられたかのようにもみえたもう一体の自分。

冒険者が手を掲げた。
すると、クリスタルで眠る多くの命たち、
おそらくここまでの戦いで命を落とした者たちの魂が目覚めはじめてゆく。

未来タッグの相棒「リリゼット」が降り立った。
続々とそこに降り立つ懐かしい顔ぶれ。

懐かしい顔ぶれが集まった

闇の眷属が迫る。

それを華麗に斬ってすてる「ライオン」と「ギルガメッシュ」。

アドゥリンの若き盟主「アシェラ」に、天晶堂の頭首「アルド」。
ミスリル銃士隊最強の暗黒騎士「ザイド」、そして隊長の「フォルカー」。
サンドリア国の王子「トリオン」、そのそばにはサンドリアで一番の剣の使い手「クリルラ」。

トリオンとクリルラ

故国イフラマドの王子「ルザフ」、傍らにいるのはアトルガン皇国の聖皇「ナシュメラ」。
もちろん、彼女が操るアヴゼンとメネジンも一緒だ。

タブナジア自警団のリーダー「プリッシュ」は、いつもそばにいる歌姫「ウルミア」ともに。
そして、冒険者をより高みへ導くように稽古を付けてくれた「マート」だって来ている。

ウィンダスの支え「星の神子」に、守護戦士の「セミ・ラフィーナ」。
そして、ウィンダスが誇る最強の師弟コンビ魔道士「シャントット」、「アジド・マルジド」。

シャントットとアジド・マルジド

シャントット
オーッホホホ!
アジドマルジド、パワーをメテオにですことよ。
気張りなさいな!


アジド・マルジド
シャントット博士、いわれなくとも!

降り注ぐメテオ

降り注ぐメテオ。
ついに迫ってきていた闇がひるむ。
しかし、その雲の奥にまだ潜む「なにか」は、その爪に力を集中しはじめた。

強大な闇の力

おそらく、これが最後!

冒険者が手をかざしたところにフィールドのようなものが展開された。
次々と降り立った者たちがその中心に力を注ぎ込むかのように吸い込まれていく。
生まれた光の玉は、さらに大きくなり、力強い光を放った。

光をぶつける!

闇が巨大な赤黒い魔導球を放った。
対して、冒険者はこれまで出会った人々の魂と願いをのせた光の玉を放つ。
そして、その光は闇の玉の中心を穿った。

闇が雲の中へと沈んでいく。
侵攻も止まったようだ。

テンゼン
イロハ、今でござる! 結界を!!!

イロハが結界をはる

イロハが舞い、醴泉島を包み込むように結界をはった。
一方で冒険者はこれまでにない激しい光に覆われていた。
まるでそれを爆発させたかのように放出すると、
高く、長く、天まで光の筋を残して消えてしまった。

冒険者はいなくなった。
だが、ひとまずはこれで闇の侵攻が止まった。

テンゼン
イロハ。よくぞやり遂げたな。

振り返ったテンゼンにイロハは弱々しく答えた。

はい……ちちう……え……。

結界を全力ではった為だろうか、イロハは気を失いそうになっていた。
テンゼンの背後で誰かが近寄る気配がした。
向き直ったテンゼンの前には、今にも倒れてしまいそうな冒険者がいた。
いや、正確には、完全なる光となるために、
闇を打ち捨てた際に分かたれたもう一人の自分だ。

この選択は間違っていた

分かたれたもう一人
私ハ……間違イヲ犯シタ……
コノ闇ハ、私ガ考エテイタモノトハ違ウ……。
我ガ光ノ半身ヨ……コレデハ世界ハ救ワレヌゾ……!


それだけ言うと、その分かたれたもう一人は「無の使者」へと変貌を遂げた。
闇の侵攻が再び始まった。

テンゼンがその鋭い爪で攻撃を受けた。

攻撃を受けたテンゼン

イロハが駆け寄る。

テンゼン
近づくなッ!

しかし、その忠告は一瞬遅く、闇の爪はイロハを容赦なく打ち払った。
激しく岩戸に叩きつけられたイロハ。

為す術もなく打ちつけられたイロハは……

テンゼンは覚悟を決めた。
せめてイロハだけでも。
なんとか。

不死鳥の力をイロハに送るテンゼン

フェニックスの力をイロハに送り込む。

イロハの身体になにかが宿ったかのようにトクンと揺れた。

イロハが最後に目にしたのは、
いくつもの闇の爪が背後に迫る中、娘の無事を祈り見守る父の姿だった。

テンゼンの最期





冒険者は……。
光の神となる選択肢をした冒険者は、時空の高みにいた。
つまり、神となったのだ。本当に。

そこにアルタナの声が響く。

あなたは 生き残った……。
しかし あなたはもう 人ではない……。
遺された一人は やがて 息絶える……。

そして……
人は……
死に絶える……。



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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

プレイしていた人たちの誰もが熱い展開になったであろう部分。
星唄をまとめ始めてしばらくして、
「あ、ここ、どうやって書けばいいんだろう」と悩んだ部分です。

見せ場が多すぎて、全部を書きたい(+SSも載せたい)くらいの気持ちだったのを、
最終的には実際にプレイした人がそのときの興奮を思い出してもらうには
これで十分だと考えることにしました。
一方で、まったくFF11を知らない人にとっては、
とにかくこれまで冒険者がお世話してきたNPCがいっぱい出てきたんだなって
思ってもらえればいいんじゃないかと思います。

実際にプレイをしていたときは、固唾を呑んで見守っていました。
失敗例として見せられているのは分かっていても、なんとか成功して欲しいと願っていました。
特に、それぞれのNPCと関連深いNPCが一緒に戦っているところなどは、
本当に見所がいっぱいで、カッコイイ!すごい!という一言につきました。
(まさかこのあとさらにすごいことになるとは思っていない)
イロハが結界を展開するときの舞いも、
指先までしなやかな動きが表現されていて美しかったです。

最後のテンゼンの思いを考えると、今でもちょっと心が締め付けられます。
「だめだった」という絶望的な気持ちと、
イロハを残したものの、そのイロハの今後を思っての絶望と、
それでもなお娘を自分より先に死なせてはならないという思い。

イベントを見終わったあと、起こった出来事と絶望感に圧倒されて、
どっと疲労感さえ覚えたイベントシーンでした。


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最初から……ヴァナ・ディールの星唄 1

  
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