【前回までの星唄M】
分かたれたもう一人は暗闇の雲に対抗するためにも、
アルタナの元で自分たちはひとつになる必要があると言っている。
醴泉島に行きセルテウスに助力を仰ぐと、クリスタルの力を最大限に使うために
島の地脈を整えて欲しいと頼まれる。そのために移動している途中で、
ギルガメッシュやテンゼン、アルドと再会する。手分けして地脈を整えたあと、
いよいよ「その場所」へと向かうのだった。

■ ローディング

セルテウスに導かれて、冒険者が立った場所は「天象の鎖」。
そして、未来において最後のトリガーともなった「決断の時」でもある。
目の前にいるのは、今や闇の神となった「分かたれたもう一人」だった。

自分の考えは自分が一番分かっている

分かたれたもう一人
君は我。
そのときの君が何を考えていたか、我は当然のごとく、すべて覚えている。
……そうだ。君も我も、犠牲を生み出したくはなかった。


様々な旅を経て、ただの冒険者の枠には収まらなくなっていた冒険者。
各地で沢山の人々との交流をして、問題解決にあたってきた。
だからこそ「何かを助けるために、何かを犠牲にする必要はない」と思って
未来のその瞬間……ヴァナ・ディールが消える瞬間まで進んできていたのだった。

分かたれたもう一人
君と我は、自らの非力さを思い知った。

どうしようもない現実に直面し、冒険者は思い知ることになる。
人という種を途絶えさせないためにも、なんとかできないか、
まだ若い次の世代を助けるために、自分が犠牲になろうと考えた。

分かたれたもう一人
それが、あの未来での、君と我の「決断」。

その結果……未来のヴァナ・ディールはやはり消えてしまった。
その未来では恐らくイロハも長くはもたない。
一方で光の神となった冒険者には永い時間が残された。
当然、自らの間違えた選択の行く末を高みから見つめることになったのだろう。

そこで考えたのだ。

「時間」があれば、
「決断が間違い」だということ知らせることが出来れば、
滅亡の未来は避けられるのではないかと。

そこで、光の神となった冒険者は女神アルタナと協力してイロハを過去へと送った。
そして、本当の答えを知る「自分自身」……つまりは「分かたれたもう一人」も過去へと送った。

ふと話が止まる。
どうやら「雲」の気配がするらしい。

分かたれたもう一人
アルタナが君を、そして我を待っている。
君に残された、最後の闇……「人であること」。
さぁ……我の元へ……


「人」であるという闇を取り去ると……

そういうと、手をかざす。
何度も見た闇を吸い出すあの動き。
冒険者の身体から闇が吸い出されていく。
身体が軽くなっていき、冒険者は白い光に包まれた。

完全にその闇が吸い出されたとき、
冒険者はついに「光の神」となった。

分かたれたもう一人
おめでとう、新たな光の神の誕生だ。

これで、女神アルタナに会う準備が整った。
光の神となった冒険者と、闇の神となった分かたれたもう一人が、
一気に女神アルタナのいる領域まで移動した。

神の領域へ



とても広い世界

今、目の前には女神アルタナがいる。
自身が神になったことも信じられないことだが、
各地にある像や絵画、伝承でしか知りえなかった神が
目の前にいることのインパクトの方が圧倒的だ。
空はどことなくアル・タユを思わせるこの広い広い世界の中では、
その女神さえも小さな存在に思えるほどに、高みの世界は広かった。

女神アルタナ
よくぞ来た 新たな神々よ
これまで永い間 ヴァナ・ディールを守ってきたこと 礼を言う
ありがとう


女神アルタナ

心の中に語りかけられる言葉は威厳がありつつも優しさが伝わってきた。

女神アルタナ
ヴァナ・ディールと共に 生まれ 育まれ 多くを知り 多くを成し
慰められ 助けられ 歩み続けてきた人々
私はすべてを 知っている
すべてを 愛している 永遠に 永遠に


そんな女神が愛するヴァナ・ディールは、今や消えようとしている。

女神はそもそもヴァナ・ディールという世界が、
どういうものなのかを語り始めた。

もともとこの「ヴァナ・ディール」は「暗闇の雲」に浮かぶ星のひとつであり、
その誕生の際には最初にクリスタルが生まれた。
そして、ヴァナ・ディールでいうとアルタナとプロマシアといったような
光と闇といった対の存在が生まれ、均衡を保ちながら、混じったり、
衝突したりしながら世界を保ってきていた。
そういった動きの衝撃が、星々を包み込まんとする「暗闇の雲」を退ける
「時の風」を生み出してきたのだ、と。

女神アルタナ
しかし 私の対である存在……男神プロマシアは いなくなってしまった

女神一人、つまり、光だけの世界では徐々に均衡を保てなくなり、
「時の風」は止まってしまっていたらしい。
つまり、それが起こらないせいで「暗闇の雲」の侵攻を許してしまっているのだ。

それでもこれまでなんとか押しとどめてきたのは、
地上で多くの対の存在が出会ったり、戦ったり、影響しあったりすることで、
「時の風」が生み出されてきたからだったのだ。

例えば闇王との戦いやカムラナートやエルドナーシュと対峙したこと。
バハムートやプロマシアとの対決。アトルガンをめぐる戦いや、過去で戦ってきたこと、
アドゥリンの危機を救ったこと……冒険者の旅路全てといっても良いほど、
これらの何もかもが「時の風」の代わりとなっていたのだ。

しかし、今回は雲を押し戻すことが出来ない。

どうすれば良いのだろうか

分かたれたもう一人
それでも「暗闇の雲」がやってきてしまうのは、
あなたと眠れる闇の神が生み出していた 風とは比にならないからでしょうか?


女神アルタナはそれを認めた。

たしかに そのとおり
私たちは 会話を交わせば 風が吹いた
今 新しい神々となった あなたがたが
「暗闇の雲」の流れを変えるほどに 強い風を生むには 会話では足りない


(ならばどうしたら?)
冒険者が聞くより先に、もう一人がたずねた。

女神アルタナ
光と闇が ぶつかりあうこと

つまりは戦えということか。
本来の神々が起こす「時の風」に匹敵する風を起こさなければならない以上、
この戦いは全力で行なわれることになる。
分かたれたもう一人は覚悟は決めているようだ。
冒険者も決断した。

女神アルタナのいる場所では光の影響を大きく受けてしまうということで、
再び天象の鎖に降り立つことになった冒険者ともう一人。

時の風、か。
空の果てまで吹き鳴らし、雲の行き先、違えようぞ!


メタスとなって戦う

分かたれたもう一人は闇の神メタス(Metus)の姿になっていた。
時の風が起こるように、全力でぶつかる。
どちらが消えてしまってもいいくらいに。
やがて、その戦いは終わりを迎える。
冒険者の勝利だ。


■ 静かなる嵐

メタスとしての姿が消えゆこうとしている中で、
メタスは最後の力を冒険者にぶつけようとしていた。
それを防ぐ、冒険者の光の力。

激しくぶつかる力と力

その大きな力のぶつかり合いは周辺に大きな風をもたらした。
すさまじい風は周辺を覆っていた黒い雲をも千切ってゆく。

風は雲を晴らしてゆく

すべては終わった。
いつの間にか女神の元へと戻ってきた冒険者。

分かたれしもう一人はその澄み切った空を見回しながら、
自分たちの役目が終わったことを確信した。

さあ、本来の姿へと戻ろうではないか。
闇と光を併せ持ち……生と死を繰り返し……
内なる世界で時の風を起こし続ける……
不完全でありながら完全でもある「人」としての、本来の姿へ……。
誰も犠牲にならぬ、未来を迎えるために……


もう一人の自分との別れのときがきた

冒険者は神となり、
そして、今再び、人に戻っていった。

人に戻った以上は、この場にはそう長くはいられない。

先ほどまで覆っていた雲が消えたあとを、まるでゆりかごで移動するかのように、
そっと静かに本来冒険者があるべき場所へと送り届けられる。

人に戻った冒険者

女神の声が心に響く。
ありがとう……と。

ありがとう

女神アルタナ
あなたの想いで暗闇の雲は払われ
末永くヴァナ・ディールは在ることだろう

そして イロハの存在は
今しばらく 保たれ……


……いいえ あれは何……小さ…………が……


途切れそうになっていた最後の声が、
冒険者に届いたかどうかは……分からない。


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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

ここで終わるとは思っていませんでしたが、
光の神になることはダメだという話だったのに、
結局神になったり、どう収拾をつけていくんだろうと思っていたところです。
神になったのがあくまでも「アルタナに会うこと」と「風を起こす」という二つの目的に
絞ったことによって、すごく話がすっきりしたなぁと感じた部分です。

これまでの冒険者の気持ちとしては、絶望的な状況を目の前にしたときに、
多分、未来の自分と同じ選択を取ってしまうと思います。
現にいまの冒険者も最初は同じように進もうとしていました。
でも、神様になったって解決しない。
少し大げさかもしれないけれど、この物語は「人間賛歌」の物語であり、
地に足をつけたそれぞれの冒険者の地道なストーリーなのだと、
開発のメッセージが伝わってくるような気がしました。

分かりやすいメッセージとしては、
やはりアルタナの「ありがとう」の言葉でしょうね。
これも「神」という存在を考えると、そういうことを言うのかな?
と思うのですが、もう、そんなこといいやと思えてしまうくらいに、
自然に言われてしまったので、個人的にはそこまで気になりませんでした。

音楽面でも、アルタナに会いに行った時に
「メインテーマ」のアレンジが流れてきたときは
感動してしまって涙が出そうになりました。
イントロ部分から少し落ち着いた序盤のおなじみのフレーズ。
そして、一瞬間をおいてからストリングスとスネアが
ふわっと入ってくるところとか良い意味でぞくっとしました。


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最初から……ヴァナ・ディールの星唄 1

  
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