【前回までの星唄M】
暗闇の雲を打ち払うことに成功し、イロハも無事に戻ってきた。
だが、雲を払ったことにより、イロハが今の時代に姿をとどめることが出来る
タイムリミットは迫っていた。
師匠である冒険者と最後の言葉を交わし、そして消えてゆくイロハ。
ようやくヴァナ・ディールは元の姿を取り戻したのだった。

■ 眠りの底で

故郷へ向かっていた冒険者は小さなひっかかりを感じていた。
そう。あのとき、女神アルタナに「人」としての場所に送ってもらっていたとき、
かすかに聞こえていた言葉だ。
なんと言っていたのか、懸命に思い出そうとする。
が、きちんと思い出すことが出来ない。
「小さい」何かがどうだと言っていた気がするのだが……気のせいだろうか。

しかし、故郷の門をくぐったとき、冒険者をまた白昼夢が襲ったのだった。

(イロハ!?)

イロハはまだ消えていなかった

イロハ
未来は変わり……私めは……解き放たれるはず……
しかし、クリスタルの唄は止まり……
暗闇の雲が再び、時を捕える……


真っ暗な闇の中に一人祈るような姿のイロハ。
目をこらすとイロハは何か囚われてしまっているようだ。。

やはり、まだ終わっていなかった。
そう確信した冒険者は、またも醴泉島の祠へと向かった。


■ ガーディアン

先に来ていたのはテンゼンだった。

(クリスタルが!)

醴泉島のクリスタルからは、
おぞましいほどにどす黒いモヤが溢れだし、
クリスタルの中心には明らかに異物が存在しているように見えた。

クリスタルがひどい状態に

テンゼン
前々より、このクリスタルの中央に、時折ちらりちらりと
奇っ怪な影が見えるように感じていたのでござる。
その影が突如、膨れ上がり、これほどまでに禍々しく!


そして、白昼夢に襲われる冒険者、そしてテンゼン。
そこにはイロハがいた。

イロハ
師匠……。お助け、を……。

どうやら、暗闇の雲を打ち払った際に、暗闇の雲が残した欠片が
このクリスタルの中で増幅していたらしい。

あのとき最後に聞いた女神の言葉は、
この「小さな欠片」のことを示唆していたのだろう。
何故もっと早く気付けなかったのであろうか。

助けを求めるイロハは苦汁の決断をしていた

イロハ
かくなる上は……このクリスタルを砕き……
せめて……これ以上、闇が広がらぬよう


そこまで伝えるとイロハは消えてしまい、テンゼンと冒険者も意識を取り戻した。

このクリスタルをこのまま放置しておく訳にはいかないのは確かだ。
だが、イロハの言うとおり、クリスタルを砕けばそれで良いのであろうか。
テンゼンから判断を求められた冒険者は自分の考えを伝えた。

テンゼン
セルテウス殿が犠牲となって生まれた、このクリスタル。
ひんがしの本土を浸食していた虚ろなる闇を食い止めてくれているのでござる。
それを砕くなど……セルテウス殿の命のみならず、
ひんがしの民の命を砕くと同義。


どうやら、テンゼンと冒険者の考えは同じようだ。
それに中にはイロハだっている。
クリスタルを砕いたところで、暗闇の雲が消える保障はどこにもない。
結局のところは元を断つしかないのだ。

テンゼンは冒険者に今一度クリスタルの内部に入れないのかたずねた。
冒険者はそっと勾玉を取り出し見つめる。
もう光は失われてしまっていた。
あの時は「神」に等しい力を使うことでクリスタル内部に入ることが出来た。
おそらくすぐにその力を取り戻すことは無理であることを伝える。
また同じように光を集めていけばもしかして……とは思うものの、
今のこの状態のクリスタルを目の前にして、時間の猶予があるとはとうてい思えなかった。

思案にくれるテンゼンの腰につけた鳳凰丸がにわかに震えだした。
刀を手に取ると、鳳凰丸から強い力があふれ、その力に二人は包まれた。

鳳凰丸が告げたこと

一度は、「神」と呼ばれた者よ。
今はその力失いしが、その資格、その定めは我らが同朋と認めるに足る。
今、女神アルタナの呼び声がヴァナ・ディールに響き渡らん。
ラテーヌ高原のストーンサークルへ来よ。


鳳凰丸……フェニックスから伝えられたメッセージ。
二人は早速その言葉に従って、ラテーヌ高原へと向かったのだった。


■ イロハを救え

ホラの岩から西に行った先に「ストーンサークル」はある。
雨上がりには虹が立つラテーヌ高原は、まるでその虹が象徴であるかのように
虹の子とも呼ばれるカーバンクルが顕現する場所でもある。
その場所こそ、この場所だ。
ストーンサークルの中心に立つとカーバンクルが現れた。

カーバンクル登場

カーバンクル
アルタナの女神の呼び声、ボクにも聞こえたよ?

どうやら、冒険者が神となったときに起こした「時の風」によって、
一時的にその声が聞こえてきたようだ。

カーバンクル
ボクは初めて聞いたわけだけど、美しい声だねぇ。

後ろからテンゼンもカゲロウを伴いやってきた。

テンゼン
これはこれは、カーバンクル殿。

カーバンクル
やあ、イロハのお父さんのお出ましだね。

テンゼン
……?

きょとんとするテンゼンを無視して、
カーバンクルは後ろにいたカゲロウにも言葉を発した。

カーバンクル
それと、イロハのお母さん。
すばらしい娘さんがいて、鼻が高いね。


さすがにテンゼンもその言葉が意味することは分かり動揺した。
そして、もう一方の当事者のカゲロウは、
カーバンクルの言葉に「ありえない」と首を振った。

少し傷つくテンゼン

恐らく今の二人にはそれがある未来における真実だとは思えないだろう。
特にテンゼンの狼狽ぶりは少し笑えるものがある。
カゲロウの容赦ない返事には軽く傷ついたのか、
「そこまで言わなくても」とばかりに彼女の方を向いた。
カゲロウは一見すると冷静に対処しているように見える……が、内心はどうであろうか。
二人に与えた動揺などまったく気にせずにカーバンクルはいたってマイペースだ。

カーバンクル
イロハはまだ完全に復活できないようだね。
だからボクがキミを導いてあげるよ。
さぁ、目を閉じてみてみんながやってくるから!


光が降り注ぎ、最初に現れたのは光のアレキサンダーだ。
その隣に黒いサークルが現れる。
そこから現れたのは闇のオーディンだ。

アレキサンダーとオーディンも休戦

光の力が……闇の力が……イロハから預けられたあの勾玉に分け与えられ、注がれる。

不意に周囲が熱を帯びたと思ったら、現れたのは炎のイフリート。

イフリート

そして、それと対を為すように、氷のシヴァが現れた。
大地を引き裂く雷と共に現れたのは、雷のラムウ。

次々とアルタナの呼び声に応えてこの地にやってきた。

打ち上がる岩を伴って、大地のタイタンが召喚されたかと思うと、
次に現れたのは風を運ぶガルーダ。
水柱があがり、大海の覇者リヴァイアサンも現れた。

アルタナが……いや、この世界の全てが世界を救おうとしていた。

アトモスと共に現れたケット・シーも、
夢の住人でもあるディアボロスに、非常に高位の存在であるフェンリル。
果ては空を統べるバハムートまでもがこの地に集った。

バハムート

次々と彼らの力が勾玉に注がれてゆく。

全ての力がここに

力を得た勾玉は、これまでに見たことがないほどの輝きを放った。

カーバンクル
みんな、力の一部を差し出してくれてどうもありがとう!
その力を……ボクらの力を……フェニックスに捧げるよ!!


思いのこもった勾玉を受け取る

力強い光を帯びた勾玉が冒険者の手に戻ってきた。
カーバンクルはこれでひんがしのクリスタルの中に入れるだろうと言った。
そして、イロハは今、暗闇の雲に囚われてしまっているということも。
そのイロハの元へ導いてくれるのが、今、冒険者が手にしている勾玉だ。

カーバンクル
その勾玉にこめた力とテンゼンの持っている刀で、
一刻も早く、助けてあげてね!


そういうと、その場から去った。

テンゼン
あいや、待たれよ。
先ほどの父やら母やらの話は放ったらかしでござるか!?


既にカーバンクルはいない。
テンゼンはもう少し詳しく話を聞きたいようであったが、
急ぎ醴泉島のクリスタルの元へと向かうことにした。

冒険者はある意味ヴァナ・ディールの意志と言っても良いくらいの、
大いなるものたちの息吹が宿った勾玉を大切に携えて、醴泉島に向かうのだった。


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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

冒険者視点では既に明らかだった
「イロハの父はテンゼンであり、母はおそらくカゲロウだろう」という事が
まさかテンゼンに明かされることになるとは。

一番に思ったのは「カー君、それ言っちゃうの!?」でした。
もしも、このカー君の言葉が原因で、かえって二人がくっつかなくなってしまったら、
イロハは誕生しなくなってしまうじゃない……とw

ここは召喚獣や神獣たちが次々登場し、
彼ら自身の利害も超えて、アルタナに寄与するというところが
ヴァナ・ディールが「滅びたくない」と必死にもがいているようで熱くなりました。


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最初から……ヴァナ・ディールの星唄 1

  
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