【前回までの星唄M】
醴泉島のクリスタルに存在した「小さな欠片」……暗闇の雲が残したそれは、
クリスタルを蝕み、イロハをとらえ、今もなおヴァナ・ディールを闇で包み込まんとしていた。
攻めあぐねていたテンゼンと冒険者の前に現れたのはライオン、そしてプリッシュだった。
絆の力で使うことが出来るフェイス。アフマウ、リリゼット、アシェラも召喚され、
彼女たちはさらなる力をもって冒険者に助力してくれた。
彼女たちの活躍とテンゼンの攻撃が、ついにクリスタルに蔓延っていた闇を消すことに成功した。
いよいよ冒険者はクリスタルの内部に入ってゆく。

■ 勾玉の輝き

いよいよ内部へ

ライオンたちの願い、テンゼンの思いを胸に、
冒険者はクリスタルの前に立って一呼吸する。

中にはきっとイロハがいる。
そして、ヴァナ・ディールを無にしてしまおうとする者もおそらく……いる。

そっとクリスタルに触れると、吸い込まれるように冒険者の身体は
クリスタルの内部へと導かれた。

内部はまるでエスカのように、色のない空気に覆われていた。
広場があり、その周囲には壊れかけた円柱がいくつも囲むように並んでいる。
広場の地面は、まるで鏡面のような、水面のような……
透き通っていたので下の様子もうかがえた。

下を覗くと、何もかも吸い込まんと、雲がうごめいている様子が分かる。
柱は下部にも続いていて、一見すると高い塔の最上階にいるようにも見えた。
上空を見上げれば、そこも黒い雲で覆われており、渦を巻いていた。

よくみると……

さらによく見ると、周囲よりももっとどす黒い雲が、
広場の中心で何かを抱えた状態でたちのぼっていた。

(イロハ!!)

とらわれのイロハ

手前にはセルテウスも倒れていた。
駆け寄った冒険者にセルテウスは、
雲をとめることは出来ないと告げた。

セルテウス
せめて、彼女をあそこから引きずりだそうと
戦いを挑んでみたのだが……。
時の止まった世界で、人はただ消えるだけの場所だ。


冒険者は懐から勾玉を取り出した。

勾玉の力を使う

静かに明滅した勾玉は、その力を解放するように強力な光を放つと
イロハのところまで飛んでいった。
それを見て、セルテウスもまた自分の力をその光に捧げた。
明るい光は、少し赤みを帯びた光に変わり、
周囲からは虹色のフレアが出ていた。

光は一層強くなる

大いなるものたちの力、フェニックスの力、道を切り拓いた者たちの力……。
それら全てがイロハに力を与える。

赤みが一層増したそのとき、イロハを捕えていた雲は晴れ、
変わりに現れたのは大きく翼を拡げた不死鳥そのものだった。
イロハの動きとシンクロするように翼を拡げ、そして、真の姿で彼女に宿った。

フェニックスの力が解放される

解放されたイロハは、フェニックスの影響か、
瞳は赤く、髪の毛も赤くなっていた。

イロハ
師匠ッ……!?

冒険者を見つけ、駆け寄るイロハの足元が大きく揺れ、立ち止まった。
足元からはさらに黒い霧が吹き出し、
そこに現れたのは巨大などこかで見たような仮面だった。
今まさにそれが冒険者たちのいるところに出てこようと、
巨大な身体を起こそうとしていた。

仮面が……

身の危険を感じたイロハは咄嗟に冒険者の方に向かって再び走りだした。
さっきまでクリスタルの外で戦っていた爪を床に立てて、
その仮面は「こちら側」に出てきた。
仮面は周囲の霧もろとも瓦礫をも吸い込んでゆく。
あまりの風圧にイロハと冒険者も踏ん張るのに必死だ。

イロハ
あれは……私めを蝕んでいた、暗闇の雲でございますな!?

暗闇の雲の姿が明らかになる

あれが暗闇の雲。
周囲の霧を吸い込み終わった仮面が「暗闇の雲」としての姿をはっきりと現した。
イロハはそれこそがクリスタルの中に残された「小さな欠片」だと確信した。

これほどの力を持つものが、「小さな欠片」だというのか。
一体、本来はどれほどの大きな力を持っているのだろうか。冒険者は軽く身震いした。

イロハは冒険者たちが高めたフェニックスの力が、
自身を蘇らせると同時に、欠片を実体化させたのだと言った。
実体化した今ならば、倒すことも出来るかもしれないと。
フェニックスの影響を受けたイロハの赤い瞳が、
彼女の力強い意志を一層強調しているように見えた。
冒険者は共に戦おうと、大きく頷いたのだった。

イロハ
いざ、共に参らん!!!

いざ共に!

イロハが取り出した長刀も、彼女と同様に強力な不死鳥の力を蓄えていた。

ところどころに、これまでの冒険者の思い出がまるで走馬灯のように、
浮かんでは消え、消えては浮かぶということを繰り返していた。
懐かしい景色、仲間、立ちはだかった敵。

フィールド上空はじっくり見たくなる

そのどれもがヴァナ・ディールで得られたものであり、
今更「無」になどできないものばかり。

かつての敵も含め、ヴァナ・ディールの全てがこの戦いを見守るように、
現れては消え、また現れて……。
なんとも言えぬ不思議な光景に思わず見入ってしまった冒険者だった。

イロハ
決着を付けましょうぞッ!

いよいよ最後の戦いがはじまった。

暗闇の雲は巧みのこちらの攻撃を吸収し、自らの力にしているようだ。
その見極めをしながらの戦いは、困難を極めた。
さらに床に黒い球体を撒き散らし、
こちらが誤って球体に触れようものなら、身体は異常をきたしてしまう。
加えて、徐々に激化する魔法攻撃も恐ろしい。

ヴァナ・ディールを救え

それでも、イロハの強力な攻撃と支援は冒険者を後押ししてくれた。
武器を振い、魔法を放つ。
決して、諦めることなく。

フェニックスの力を得たイロハの支援は強力

しかし、暗闇の雲の攻撃もますます苛烈になってゆく。
不意に大きなダメージを受けた冒険者は、
それまでのように行動出来なくっていることに気が付いた。

(まさか、衰弱か!)

自身の体力をごっそりと奪われた状態では、
もはや雲に近付くことすら命取りである。
それでも、この欠片を取り除かねば、ヴァナ・ディールの未来はない。
ひたすらに、懸命に、
冒険者とイロハは自らの命を削るような戦いをした。

しかし、長い戦いもいつかは終わりがくる。
暗闇の雲の攻撃の手が止まり、その身体を細かく震わせていた。

諦めぬ心。

未来の自分が弟子となったイロハに一番最初に教えたことだという。

多くの人が息づくこの世界が「無」に包まれることを、
未来の冒険者は……いや、未来の私は、諦められなかったからこそ抗った。
抗った結果は失敗に終わったが、それでもなおも諦めなかった。
過去の自分を信じ、未来の行く末を託そうとした。
ここに至るまで、たとえそれが遠回りであっても、冒険者も諦めなかった。
だからこそ、今、この選択が出来たのだ。

今の時代に生きる冒険者と、
その未来になるはずだった冒険者と。
この瞬間、本当の意味で道が分かれた。

暗闇の雲はどんどん中心へと収束していく。
これだけ力の収束が起こると、あとはその力の解放が起こるだけ。
至近距離にいる自分に起こることを予想できない冒険者ではない。

(これで……終わった)

終わった!

収縮しきった暗闇の雲は、ビッグバンの如く千々に散った。

イロハ
師匠ぉぉおおおッ!!!

イロハの声は爆風でかき消された。

仮面は落ちて、そして砕けた

あとに残ったのは仮面が一つ。
その仮面もはじけて砕けて消えてしまった。

(ヴァナ・ディールの未来を護ることができた……かな)

冒険者の姿はそこにはなかった。


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お約束
・ 前提として、全てのミッションをクリア済み(三国ミッションも三国全てクリア済み)の状態でミッションを進めているとお考えください。
・ 登場人物も多いため、人物登場時にできるだけ違和感のない感じで説明を加えるようにしていますが、詳細な設定などについては、あえて省く場合があります。
・ 自身の感想部分については、該当部分をクリア時にメモした当時の感想をまとめています。

イロハがフェニックスの力を得て、覚醒するシーンはよかったですね。
個人的にはやはり自慢の黒髪の彼女が好きなのですが、
鳳凰飛翔といった感じのあのシーンは印象強く残りました。

あとは最後のBFの演出ですね。
初めて入ったときは一緒にいったメンバーとみんなで
攻略そっちのけでしばらくじーーーっと眺めていました。

「暗闇の雲」戦はそれぞれに色んな思い出があると思います。
初めて挑んだ時の印象は、大負けはしないけれど、
なかなか勝ちきれない相手という感じでしたね。
実際、一回目は時間切れで失敗しました。

二回目は、当時はまだBFに入ったあとに味方が表示されないといったバグがあって
(確か今は解決したはず)、私たちもそれが発生して、
結果それで退出する羽目になり三回目の突入へ。

三回目もまた味方が表示されなかったのですが、
戦闘前にメンバーから一定の距離を置いて、再読み込みされないか試したところ
うまくいったので、そのまま戦うことが出来てほっとしたのを覚えています。

次は最終回です。
なんとか最後まで書ききれそうなので良かった。


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最初から……ヴァナ・ディールの星唄 1

  
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